物価高騰や人手不足など、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。 こうした中、令和8年度税制改正において、従業員の皆様の「手取り」を増やし、企業の「経営基盤」を強化するための重要な改正が行われました。 当所では、会員事業者の皆様に是非ご活用いただきたい3つのポイントをまとめました。
1. 従業員の食事補助:非課税枠が月額7,500円に引上げ
人手不足対策や人材定着には、福利厚生の充実が欠かせません。「第三の賃上げ」として注目される食事補助制度が、より使いやすくなりました 。
- 改正内容
- 非課税の上限額が、従来の月額3,500円から月額7,500円(税抜)に大幅に引き上げられました 。
- メリット
- o 一定の要件を満たせば、会社が補助した分に所得税がかかりません 。
o 同額を「給与」として支給するよりも、従業員の手取り額が増加します 。
o 会社側は補助金額を「福利厚生費」として全額損金計上可能です 。 - 導入例
- お弁当の配送、設置型社内販売、専用カードへのチャージなど、自社の規模に合わせた選択が可能です 。
2. 賃上げ促進税制:最大35%の税額控除と「5年間の繰越」
「従業員の頑張りに応えたいが、業績の先行きが不安」という声を形にした制度です 。
- 改正内容
- 給与支給額を前年度より増加させた場合、増加分の一部を法人税等から控除できます 。
- ポイント
- 赤字等で当期に減税しきれなかった場合でも、5年間の繰越控除が可能です 。
- 優遇措置
- 子育て支援(くるみん認定)や女性活躍(えるぼし認定)に取り組む企業には、さらに控除率が上乗せされます 。
3. 法人版事業承継税制:特例承継計画の提出期限を延長
自社株の贈与・相続時の税負担が実質ゼロになる「特例措置」の期限が迫っています 。
- 重要なお知らせ
- 事前エントリー(特例承継計画)の提出期限が、令和8年度改正により2027年9月末まで延長されました 。
- メリット
- o 自社株にかかる贈与税・相続税の負担が0円になります 。
o 贈与時の価額で株価を固定できるため、将来の業績向上による税負担増のリスクを防ぎ、安心して事業拡大や設備投資に取り組めます 。

