感染力の強い変異株の流行により、緊急事態宣言が9月12日まで延長される中、早期のワクチン接種を望む会員事業所の一助になればとの思いで進めて参りました会員3000名への「職域接種」が、8月13日の第2回目接種最終日をもって終了いたしました。医療機関を始め、当プロジェクトにご協力いただいた全ての関係者の皆様、商工会議所の全職員に対し、まずは厚く御礼申し上げます。
思えば6月上旬、「商工会議所でも職域接種が出来る」との萩生田大臣の一報から始まった職域接種ですが、誰もが未経験のこの事業をどう進めていくべきか、まるで雲を掴むようなところからのスタートでした。「一刻も早く接種したい」と望む会員の為に会議所としてどこまで出来るのか、正に走りながら考える2か月間でした。接種希望者は集まるのか、ワクチンはきちんと供給されるのか、接種の流れにボトルネックはないか、接種後の副反応は大丈夫か、駐車場は、当日のキャンセル対応は等々、考え始めたらきりのないほど懸念材料はありました。安藤副会頭、清宮副会頭、吉野副会頭、下田副会頭にはそれぞれのお立場で当事業への全面協力をお願いし、とりわけ清宮副会頭には「職域接種」担当副会頭として、各部会のとりまとめや当日の運営についてアドバイスをいただきました。また、八王子市産業振興部や医療保険部には「集団接種」に関するノウハウの共有を、市職員の皆様には当日のキャンセル対応などで大変尽力をいただきました。
振り返ってみますと、今回の成果には2つの大きな要因があるように思います。一つは「事前アンケートの実施」でした。実際にどの程度の接種希望者がいるのか、事前におおよその人数を把握出来たことは、その後の優先順位や募集の仕方に活かすことが出来ました。
もう一つは「当日キャンセルへの対応」です。これは接種予定者の体調不良や問診による判定などでどうしても避けて通れないことでした。ワクチンの廃棄ロスを出さない為には、即座に代わりの方を見つけなければなりません。特に2回目の接種期間中は、1回目接種をした方のみが対象となるためより難しくなります。同一企業内で調整をお願いしたり、日程を繰り上げて接種いただいたりと、各企業の連絡担当の皆様にはご負担をおかけしました。最終日の前日、12日の終了間近に「2名」のキャンセルが出た時は正直諦めかけました。しかし最後の一本の電話で、最終日予定だった2名が急遽1日繰り上げて来ていただけることになった時には感謝で鳥肌が立ちました。最終日を終え、2回目は合計2,970名の方に接種を完了し、全日程を終了いたしました。なお、事情により2回目接種がかなわなかった方については、多摩地域で同様の職域接種を行っている商工会議所仲間の「むさし府中商工会議所(府中市)」にお願いし、快く引き受けていただけることとなりました。
今回の「職域接種」は、会員企業の皆様には「福」を得ていただき、また我々にとっては「徳」が積めるプロジェクトとなりました。ここで得た経験は、今後の様々な会議所事業に必ず役に立つものと信じております。コロナ禍だからこそ、初めての事にも積極的にチャレンジする姿勢、目標の達成に向け、最後まで諦めないで力を尽くすことが何より大事であることを身をもって経験できました。
今後も会員企業の為に、貪欲にチャレンジして参ります。(了)