会頭メッセージ

「地域経済団体としての使命」~樫﨑会頭からのメッセージ Vol.8

2021年の年頭を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年は、年初より発生した新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた事業者の皆様に、地域経済団体として何が出来るのかを考え、行動した一年でした。

国の「持続化給付金」申請サポート会場への協力、また各行政のコロナ対策支援金、補助金等の施策が次々と展開されるに当たっては、当会議所の広報媒体を通じて分かり易く迅速にお伝えすると共に、八王子市から財政支援をいただきながら、中小企業相談所にて融資のあっせん、補助金申請書作成のための個別相談を実施し、影響を受ける多くの事業者の皆様にご活用いただきました。特に売り上げの落ち込みが激しい飲食業については、テイクアウトやデリバリーに取り組む店舗をご紹介したり、「八王子市プレミアム付商品券」が使用できる「飲食店」を特集したチラシや、「J:COM八王子」のテレビ番組を制作する等PRに努めました。

この度、当商工会議所が、中小・小規模事業者の「コロナ対策相談窓口」としての「駆け込み寺」となったことで、これまでご縁がなかった多くの事業者の皆様に、商工会議所の存在や仕事を知っていただくことができました。就任以来推進しております役員・議員による「会員増強運動」との相乗効果もあり、新規会員の大幅な増加に繋げることが出来ました。「会員増強」については、約3,800社の会員組織率の更なる向上に向け、本年も引き続き推進して参ります。

また、「高尾山」を中心とした“桑都”八王子が「日本遺産」に認定されたことを受け、その構成文化財である「山車」について、観光資源としての活用と安全な保管場所を確保する観点から、『山車の館』の建設を八王子市に要望いたしました。こうした地域活性化に直結する行政への要望活動も商工会議所の重要な仕事と考えており、JR八王子駅周辺の中心市街地活性化事業と合わせて、引き続き積極的に提言して参ります。

加えて、この1年、会頭としての活動の中で痛切に感じたことが、「広報の重要性」です。町や業界で様々な事業者にお会いしますと、未加入の事業者は元より、会員企業でさえ「商工会議所」という組織の特性や個別の事業をご存知ない方が実に多い、という印象を受けました。「商工会議所」と「商工会」を同じ組織として混同されることもその一例です。これは事業が多岐に渡っているということの他に、私共の「伝え方」に最大の問題があると思っております。コロナ禍となり、国の施策をいかに早く分かり易くお伝えするかという点で、従来とは異なった手法や媒体で周知したことにより、これまでにない「手応え」や「反応」を感じたことも事実です。

そこで本年は、これまで行ってきた「広報のあり方」を重点的に見直し、事業者、市民の皆様双方に「商工会議所」という組織や活動を正しくご理解いただけるよう、大胆に改善して参りたいと考えております。

コロナ感染症の問題は、年が明けた現在も未だ一進一退を繰り返しておりますが、今なお必死に経営努力を続けておられる会員企業の皆様に改めて敬意を表するとともに、地域経済団体として与えられた使命を全うすることが皆様から信頼いただける唯一の道と肝に銘じ、本年も全力をあげて努力する所存です。

最後に、東京オリンピック・パラリンピック開催の年でもある本年、コロナ禍を皆で乗り越え、地域経済にとって明るく活気ある年になりますことを心より祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。(了)

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