本年も残すところ2週間余りとなりましたが、振り返ればあっという間の1年でした。年明けから始まった「新型コロナウイルス」感染拡大により、中心市街地でのイベントや部会活動の多くが思い通りに実施できなかった上、「需要の蒸発」というこれまでに経験したことのない事態に晒されました。
このような状況の中、「地域の中小・小規模事業者の経営を支える」という基幹業務に全職員あげて注力したことは、商工会議所の存在意義を改めて認識する機会となりました。国の持続化給付金サポート会場への協力、また中小企業相談所において融資斡旋、各種補助金相談を行うにあたっては、八王子市から経営指導員の増員等に対して手厚い支援をいただくなど、この間、八王子市とはこれまで以上に連携を密にし、「車の両輪」となって対応して参りました。お陰様で、これまで接点のなかった多くの事業所の皆様に商工会議所の存在や仕事を知っていただくことが出来ました。会頭就任以来、ご協力をお願いしている役員・議員による「会員増強運動」と相まって、この厳しい状況の中、お蔭様で新規の会員加入件数は大きく伸びております。予断を許さない状況は続いておりますが、与えられた使命を全うすることが地域の皆様から信頼いただける唯一の道と肝に銘じ、引き続き全力をあげて努力する所存です。
「コロナ禍」にあって、明るいニュースもありました。「高尾山」を中心とした「桑都」八王子の伝統文化が、文化庁より「日本遺産」の認定を受け、「八王子まつり」「八王子芸妓」「神輿・山車」など29の文化財が「構成文化財」として位置づけられました。日本商工会議所が毎月発行している「会議所ニュース」にも特設ページが組まれ、全国の商工会議所関係者にもご紹介いただけました。とりわけ「山車」については、八王子市の観光資源として、また安全な保管場所を確保する観点から、『山車の館』の建設を八王子市に要望いたしました。こうした活動も「地域経済活性化」に関連する重要な仕事だと考えており、今後、萩生田光一文部科学大臣、地元選出の都議会議員、八王子市議会議員の皆様にもお力添えをいただきながら実現に向けて汗を流して参ります。
また、髙尾山薬王院に関し大きな動きがありました。今月、髙尾山薬王院の大山隆玄貫首(かんす)がご退任され、佐藤秀仁貫首に引き継ぎが行われ入山式が挙行されました。「高尾山」の魅力を大いに発信いただき、「心のふるさと祈りのお山」、更には観光地としての発展を目指して、当会議所といたしましても、この若き貫首を大いに盛り立てていきたいと思います。
年が明ければ、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック開催の年となります。「安全・安心」と「競技大会の成功」の両立に向けて、幾多の試練を乗り越えてきた我々日本人の叡智を今こそ結集し、世界の模範となる大会となりますよう、会議所としても協力して参りたいと思います。暗く辛いニュースが多かった今年ですが、来年こそ地域経済にとって明るく活気ある年になりますことを心より祈念申し上げ、この一年を締めくくりたいと思います。(了)