新型コロナにつきましては、先月以降、再び感染者が全国的に急増するなど、依然収束の気配が見えない中、「コロナ対策」と「経済活動」の両立にご努力をされている会員事業所の皆様に、今商工会議所として何が出来るのか、どうすればお役に立てるのかを考え、精力的に活動しております。特に「国や行政の補助金情報を、スピーディ且つ分かり易く皆様にお伝えする」という点について今年度は重点を置いておりますが、一方で八王子市の施策やまちづくりにも積極的に参画し、他のどの地域にも負けない「八王子」を目指して邁進しているところです。
そうした中、先月号でもお伝えしました通り、高尾山を中心とした八王子の文化歴史が、この度文化庁の「日本遺産」に認定されました。この認定を受けるにあたり、当市の歴史を語る上で欠かすことのできない「29件」の有形無形文化財が指定されているのですが、その一つに「山車」があります。
ご存知の通り、「八王子まつり」を華やかに彩る19台の「山車」は、各町会ごとに管理をしておりますが、町会によっては保管先が遠方であったり、満足のいく管理設備を整えられないことにより、防犯上の問題や火災の懸念、搬入出に多大な労力を要する等の課題を抱えており、山車の維持継続に支障を来たしている実態があります。
そこで、保存性や防犯性の向上、まつり会場まで至近であり平地での移動が可能である等の観点から、現在八王子市が保有している「旧八王子消防署跡地(八王子市大横町)」に山車の安定的な維持管理や展示を目的とした施設の建設を望む要望書を作成し、公益社団法人八王子観光コンベンション協会、八王子市町会自治会連合会との連名にて市長あてに提出して参りました。
当地は中心市街地からのアクセスも良く、末永く八王子の伝統的な「山車文化」を継承するだけではなく、「高尾山」の登山客や二年後に完成を迎える「旭町・明神町地区」の「東京都立多摩産業交流センター」を利用する国内外の旅行者等に向けたツアー拠点の一つとしても寄与する可能性を秘めていると考えております。
国や行政に対するこうした「要望・意見活動」というのも、商工会議所の重要な仕事の一つと考えており、同じく先月、感染防止対策にしっかり取り組んでいる飲食店には、市職員の方々にも是非利用促進を図っていただきたいという旨の要望もさせていただいたところです。
地域経済を担う商工会議所といたしましては、地域経済をいかに停滞させず回していくのかという「役割」と「使命」があることを十分ご理解いただいた上で、感染対策に配慮しながら事業活動を進めていくという難しい課題に、会員の皆様と共に知恵を出し合い、この難局を乗り切っていきたいと考えております。(了)