
3月に入り、令和6年度が間もなく終了いたしますが、今年度は創立130周年ということもあり、年度末まで多くの記念事業を実施して参りました。特に2月下旬から3月にかけては、当会報でも紹介して参りました「八王子桑都千景」の各事業を切れ目なく開催いたしました。この会報がお手元に届いている頃には、既に大半の事業が終了している頃かと思いますが、改めて振り返ってみたいと思います。
昨年4月、日頃大変お世話になっている地元選出の都議会議員から、東京都の「江戸情緒あふれる景観創出事業」を紹介いただいたことが発端でした。八王子の歴史と伝統を広くPRできるいい機会だと考え、「八王子市中心市街地活性化協議会」の中心メンバーを構成する当所と八王子市、八王子まちづくり公社でプロジェクトチームを作り公募に参加、プレゼン審査を経て7月に指定地域として採択いただきました。事業期間は令和7年3月末まで、事業費1億円という一大プロジェクトでした。
始めに江戸の風情を醸し出す景観作りとして、甲州街道沿いの「八王子100年企業のれん会」を中心とした老舗約80店舗を対象に、統一カラーでの「オリジナルのれん」を製作いたしました。軒先のスタイルに合わせて「水引のれん」「日よけのれん」「長のれん」から選択いただき、家紋や屋号を入れてお店の特徴を表現しています。また街をあげて盛り上げるため「のれん風フラッグ」を作り、西放射線や東放射線通りの街路灯や、甲州街道沿いの商店街のアーケード等に設置しました。
続いて、八王子織物の隆盛と共に栄えた「花街エリア」の夜を演出するため、当地で営業する各店舗に行燈を製作、伝統文化の発信基地「桑都テラス」には、行燈や傘を使用した装飾を施し、ライトアップにより雰囲気を高めます。
また地域の皆様には、当事業の取り組みと機運醸成を図るイベントを2月22日より集中的に開催しました。子供たちによるお囃子や日本舞踊の発表会、芸妓衆や八王子車人形の公演、新内ながし、風呂敷や切り絵のワークショップ、老舗による商品販売「のれん市」などを、桑都テラスやセレオ八王子北館で実施しました。
そして、3月9日、ジェイコムホールにて、江戸時代の八王子を舞台とした機織り職人と芸者の恋物語に、木遣りやお囃子、車人形、八王子芸妓衆を演者として織り交ぜた創作新内瑠璃劇「恋織雪旅桑都照」を開催し、一連のイベントを締め括ります。
当事業は単年度となりますが、八王子の歴史や伝統文化を市内外の皆様により深く理解いただくため、また一層の中心市街地活性化に向けて、今回のプロジェクトの成果を検証し、次年度以降の活動に活かして参りたいと思います。