間もなく年度末を迎えるにあたり、当会議所では今年度の総括と新年度事業の準備を進めているところですが、130周年という特別な一年となる本年は、これまでの諸先輩方が営々と積み上げてこられた商工会議所の実績と信頼をしっかりと次代に引き継いでいくため、気を引き締めて仕事に取り組む所存です。
さて、元旦に発生した能登半島地震の被災地の様子は、今でも毎日のようにメディアで放送され、依然手つかずのまま残されている歪んだ道路や押し潰された家屋などを拝見しておりますと、これまでの震災の復旧・復興とはまた違った面での難しさを感じており、被災された方々の日常生活や地域商工業の事業の立て直しには、まだ多くの時間と支援が必要だと思っております。被害の大きかった地域の一つにある輪島商工会議所では、商工会館が被災して使用できず、仮事務所を設置して相談対応に当たっており、特に確定申告の時期でもあるため、全国の商工会議所から応援の経営相談員が現地に入り、ローテーションで支援に当たっているところです。当会議所といたしましても、物的人的の両面から、出来る限りの支援をして参りたいと考えております。
そうした中、今月号の記事に掲載いたしました通り、当会議所では上部団体である日本商工会議所からの要請を受けて、一日も早い復興・復旧を後押しするための災害義援金を会員の皆様から募りましたところ、1千万円を超える義援金を寄附いただくことができました。これまで、阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)の際も義援金を募集させていただきましたが、会議所一般会計からの拠出金を含めますと過去最大規模の寄付額となり、当初の想定をはるかに上回るものとなりました。首都直下型地震は、今後30年以内に70%の確率で発生すると言われております。会員の皆様には、今回の震災が我が事のように感じられたのではと思うと同時に、当会議所にこれほどの大きな信頼を寄せていただいているのだということを改めて実感しております。
この度の義援金のお呼びかけに賛同いただき、心温まるご寄附をいただきました会員の皆様方には深く感謝申し上げますと共に、今後も会員の皆様の信頼と期待を裏切らないよう、日々精進して参ります。