今年も残り半月となりました。この時期になるといつも思うことですが、一年経つのが本当に早く感じます。毎日が忙しいと情報収集に割ける時間も相対的に少なくなる訳ですが、デジタル化やAI技術が進捗する中、世界は我々の想像以上のスピードで変化しており、地域の小規模事業者においてもその影響は直接、間接問わず受けることになります。今後の自社の正しい経営方針を立てるためにも、いかに幅広く情報源を持ち、先手を打って対応していくかということがとても重要だと思っています。これは言うほど簡単なことではありませんが、組織にこもることなく、様々な機会を捉えてはリアルな場に出向き、様々な立場の方々と情報交換することで知見を広げたいと思いますし、実際参加してみると必ず新たな気づきはあるものです。今後の会議所運営をあるべき方向に導くためにも、引き続き積極的に行動して参りたいと思います。
さて、今年一年を振り返ってみますと、世界的にはロシア・ウクライナ問題に加え、10月のパレスチナ・イスラエル戦争などで海外情勢は現在も緊迫し、世界経済は先の読めない難しい状況に直面しています。サプライチェーンの混乱やエネルギー価格の上昇だけではなく、コロナ関連融資の返済や賃上げ、慢性的な人材不足、事業承継問題など、中小・小規模事業者にとって大変厳しい経済環境が続いております。
一方、ワクチンの普及とコロナ対策の緩和を受けて、インバウンドを含め人流が急速に促進され、観光地には人の賑わいが戻って参りました。当会議所で実施しました地域の伝統文化を中心市街地でお披露目する「わくわくフェア」や「多摩の伝統芸能まつりin八王子」、山梨県郡内地域の皆様に市内の名所や食をご案内する「八王子満喫ツアー」、食文化の祭典「八王子フードフェスティバル」などの各イベントにおいても、正にそれを実感した次第です。政府には、今後の税制改正を含め、回復しつつある日本経済を更に弾みをつけるための経済対策、中小企業対策に一層の期待を寄せるところです。
令和6年は、当会議所130周年を迎えますが、これはひとえに地域商工業の発展とその折々の議員の皆様、会員の皆様に支えていただいた賜物だと思います。商工業の発展なくして、会議所の発展もありえません。来年は流通業や建設業の「2024年問題」や電子帳簿保存法への対応など大きな課題もありますが、会員の皆様が末永く八王子でのお仕事を継続いただけるよう、身近な相談相手として、またビジネスパートナーとして信頼いただけるよう、その役目を果たして参ります。