『田辺会頭からのメッセージ』

Vol.43 「試練を乗り越えて」 

今年も残すところあと少しになりました。平成23年は日本にとって、また今を生きる私たちにとっても忘れることのできない、決して忘れてはならない年となりました。

3月11日の東日本大震災は数百年、あるいは千年に一度の大震災といわれています。大津波による災害は、今までそこにあった町や村を跡形もなく消し去り、2万人を超える尊い命が犠牲となりました。

さらに大津波は、壊れるはずのない原子力発電所を直撃し、電源というコントロールの生命線を破壊し、世界最悪ともいわれる放射線事故を引き起こしました。その影響は地球規模に及んでいます。

まさに、日本人の今までの価値観を根底から覆し、世界の日本に対する評価をも大きく変えるものとなりました。

いずれにしても、被災地の復興には、長い時間と莫大な費用がかかり、とくに原発事故の収束はいつになるか全く見当もつかない状態にあります。

このように、これでもか、これでもかと繰り返し痛みつけられている日本ですが、パニックも暴動も起こることなく、この厳しさにじっと耐え、冷静にこの状況のなかから懸命に立ち上がろうとしている姿は、自ら胸を張り、世界に誇っていいのではないかと思います。

ともすれば、自信を失い、崩れそうになっている日本という国のプライドをもう一度しっかりと持ち直すべきだと思います。

私たちは今回の大震災を経験したことによって、一人ひとりの生き方や仕事のあり方を大きく変えるところにきていると感じております。

私は、今の日本において、最も必要であり、かつ大事なことは、わが国の将来のあるべき姿を、国が国民とともに知恵を出し合い、まとめ上げ、その実現への道筋を明確に示すことだと思います。

そうすることによって、賢明な日本人は、痛みや困難を伴うものであっても、その方向に向かってもう一度力を振り絞るものと確信しています。

私はその目指すべき方向として、今までのような経済大国ではなく、安心安全で、環境に優れた快適度ナンバー1の国になること、すなわち、世界の中で最も住んでみたい国にしていくことだと考えます。

今、我々が直面しているこの大きな課題は、新たな日本の国づくりを促す試練ととらえ、来年をその第一歩の年にしていかなければならないと考えます。

大変厳しい状況が続くとは思いますが、希望を持って新しい年を迎えようではありませんか。

 


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