『田辺会頭からのメッセージ』

Vol.41 「本道は内需」の拡大 

八王子も台風15号の直撃を受け、最近になかった強い風雨に 襲われました。我家の庭木も根元から一本倒されました。ここ何十年となかったことでした。今回の台風で被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。

さて、9月2日に野田内閣が誕生し、1ヶ月余りが経過をしました。

民主党政権になって3人目の総理大臣には、ぜひ右顧左眄することなく、しっかりと政治の王道を歩んでいただきたいと思います。

今、我国は東日本大震災からの復興、原子力発電所事故の終息、さらに異常な円高、そして、財政再建と喫緊の課題が山積し、待ったなしの対応に迫られています。

これらに対し、スピード感をもって大胆に取り組んで欲しいと思います。しかし、いずれの問題を考えてみても、その莫大な財源の確保をどうするのか、その一方では経済成長をどう図っていくのかという、この対極にある難題をどのような方法で両立させていくのかが問われています。

財源の問題については、前月号でも少しふれましたので、今月は日本経済の成長をどう考えていくのかという点について、私なりに述べたいと思います。

経済を外需と内需に分けて考えると、外需については世界経済全体が毀損するようなことがない限り、また、異常な円高が是正されればあまり問題はないと思っています。現在でも対アメリカは勿論のこと、対中国、対韓国においても輸出が輸入を上回っているわけですから、これからもFTA、TPPという自由貿易協定を促進していくという環境整備をしっかりおこなえば、一定の水準は確保できると考えます。

問題は国内経済、内需です。これは雇用の問題に直結する最も重要な経済問題です。しかし、明確な方向性や具体的な手立てなどは何ら示されておりません。

最近、多くの識者が発言されているのが、「アジアの市場を日本の内需に取りこめ」という指摘です。これもその大半は海外に進出し、そこで市場を開拓することによって、可能となることであります。本当に国内で必要とする真水の内需となるものは、日本を訪れる海外の人達が国内で消費するものだけであります。

また、内需について一般的によく言われるのが、「医療介護、福祉の分野、あるいは環境・バイオの分野等を成長させる」というものですが、これらの分野で少なくともこの10年間、本当に国内経済と、それにともなう雇用を支え切れるでしょうか。なにか将来考えられる産業を列挙したにすぎない説得力のないものを感じます。

このように考えますと、少なくともこの10年の国内経済・内需をどうするのかという問題に最重点をおかなければならないと思っています。色々な場でおこなわれる経済論議も、なにか外需に逃げている感じがしてなりません。

私は日本商工会議所における我が国のあるべき政策を論議する場で、この「国内経済をどうするのか」を大きなテーマとして取り上げられるように努力をして参ります。

この問題に真正面から取り組むことこそが、中小企業、小規模事業者の明日を考えるものと信じています。

 


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