『田辺会頭からのメッセージ』

Vol.32 「急がれる国家ビジョンの確立 八王子の地産地消を促進」

あけましておめでとうございます。皆様には健やかに新年をお迎えのことと思います。

新しい年の始まりですので、明るい晴れやかな話題をと思いましたが、現実を直視すると、今年もまた中小企業・小規模事業者にとって、大変厳しい一年になると申し上げざるを得ません。

今、日本が直面している少子高齢化、グローバル化、情報化という三つの潮流は、少し大げさに表現すれば、我が国がかつて開国をした明治維新の激動に匹敵するくらいの状況にあるのだと思います。

深刻な市場の縮小

その上、2年3ケ月前に起きた世界同時不況により、中小企業は全ての業種において、2割から3割くらいの市場を失いました。

そして、この状態はこれからも続いていくという認識をしっかりと持っておかなければならないと思います。

こうした現状認識は、政治家を含めいろいろな立場の人達が言葉では言っておりますが、残念ながら実態を少し軽く考えていたのではないかと思っています。今、我が国で起きているこの事態は、国の根幹をゆるがす最重要課題であると思います。

これ等の中で、特に中小企業に深刻な影響を与えているのが、グローバル化の波だと思います。今までのような欧米を中心とした輸出(外需)から、中国・インドに代表される新興国へとウエイトがシフトされていますが、これはただ輸出の相手国が変わっただけの問題ではなく、国内の経済構造を大きく変化させている要因なのであります。

具体的に申し上げれば、新興国が中心の輸出の枠組みになれば、それらに伴う内需は起きてきません。全てが国外で処理されるからです。

さらに、海外からの安い製品がより多く国内に輸入され、国内における生産は縮小され、その結果、雇用もより深刻な状況が続くことになります。

日本商工会議所を通して提言を

「日本商工会議所を通して提言を」

国内経済がこのような危機的な方向をたどっている現在、これに対してどうするかという対策が全く示されておりません。

しかし、こうした世界的な潮流には逆らうことはできませんから、新しい発想で国内経済をどうするかを政策立案し、実行に移すことが今一番求められていることだと思います。日本の国をこれからどのような国にしていくのかという国家ビジョンの確立が急がれます。

私は日本商工会議所の総合政策委員会・税制委員会・まちづくり特別委員会等に所属しておりますので、地域の企業が置かれた経営実態や税制上の改善点などを、声を大にして訴えていきたいと思います。

全国の地域の実態を訴えて、国の政策や税制に反映させるのが日商の大きな役割です。私は日商の組織を活用して、国のビジョン構築に迫りたいと考えています。

地産地消を柱に

「地産地消を柱に」
「道の駅八王子滝山」より

一方、我々経済界、特に中小企業にとっては、現状をどう打開していくかが待ったなしの課題であります。何かを待っている余裕はありません。従って、地域は地域の知恵と工夫により、できることをやっていかなければなりません。

そこで私は、今年の八王子商工会議所の主要課題の一つとして「地域の中での需要の創出」を掲げたいと思います。いわゆる“地産地消”という考え方を経済活動全般に取り込む考え方です。

農産物にとどまらず、大きく幅を広げ「八王子でできる買い物は八王子の店で」「市内の工場で出来る物は市内へ発注する」「八王子で建てる建物は八王子の大工さん・建設会社に」などなど、八王子市内での消費や仕事の発注を広く市民の方々にお願いしていきたいと思っています。

この地産地消を成功させるためには、市民の皆様のご理解とご協力が何よりも必要ですが、「地域を活用する」には、それなりのシステムが必要となります。そうした地域の活性化に役立つ“仕組みづくり”に取り組みたいと考えています。

このような努力によって、八王子に活気が出てきたと感じられる一年にしていきたいと思っております。皆様のご協力をお願い申し上げ、年頭のご挨拶といたします。


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